しかし、新しい治療法や医薬品は評価が定まらず、効果が未知数のものも多い。中には健康被害を及ぼすものもあるので、日本では一定の規制を設けて国が有効性と安全性を認めた治療法や医薬品しか健康保険を適用していないのだ。

 混合診療を全面解禁すると、評価の定まらない治療、効果の疑わしい治療も出回るようになり、医療の安全が保てなくなる。また、本当によい治療ができたとしても、医療機関や医薬品メーカーが「自由診療のほうが儲かってよい」と判断すれば、健康保険の適用申請を行わなくなり、保険診療では医療技術の進歩を享受できなくなる可能性がある。

 このように、医療分野における規制緩和は、医療の質や安全性が担保できず、これまで低く抑えられた医療費が増大する可能性が高くなる。医療を成長分野と捉える企業が潤ったとしても、それによって国民がまともな医療を受けられなくなってしまっては改革の意味がないのではないか。

 自民党が掲げる経済再生のために行われる可能性のある規制緩和は、国民の生活を脅かす危険が秘められている。