ドイツのロベルト・ハベック副首相兼経済・気候保護相は、昨年12月の就任直後、ロシアのエネルギーに対する自国の依存度を詳細に評価するよう高官らに求めた。その結果は衝撃的だった。ドイツは自動車や工場、家庭の暖房のエネルギー源をロシア産の炭化水素に大きく依存していたうえ、他の供給ルートを確保するための危機管理計画が存在しなかった。ドイツ政府はロシアからの輸入に代わる実現可能な選択肢を持っていなかったと同氏は言う。昨年の総選挙で躍進し、連立政権入りした「緑の党」のハベック氏は、選挙演説でロシアのウラジーミル・プーチン大統領率いる政権とドイツの結びつきを減らすべきだと訴えた。次第に独裁色を強め、ウクライナや西側諸国に好戦的態度をとるロシアとの関係維持はもはや不可能だと主張した。だがそれが途方もない仕事だと気づいたのは就任の後だという。