午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が話題です。
上手にしゃべることではなく、相手を楽しませて、場の空気をよくすることを目標にかかげ「他人(ひと)はいじるな、自分をいじれ」「会話は合気道」「究極のほめテク」など、サービス精神にあふれる独特の会話術を披露。話し方で損をしているすべての人の救世主ともいえる本書から抜粋し、具体的な話し方のテクを紹介します。
合う前に名前はカンペキに覚える
会話が苦手だという人から「どうしたら石井さんみたいに誰とでもすぐに話せるようになれますか?」とうらやましそうに聞かれることがよくあります。いや、それはもう、「めちゃくちゃ準備」してますから。
まず、初めて会う人の場合、名前は会う前に確認して覚えておきます。
これはもちろん、まったくの予期せぬ遭遇の場合は無理ですが、ビジネスシーンで誰かに会うという時は、たいてい「誰と会うか」はあらかじめ情報があるはずです。「○○会社の△△さん」とわかっていれば、名前をフルネームで完璧に覚えましょう。で、会っている間に何度も「△△さん」と名前を呼んで話しかける。これは、100%、相手に喜んでもらえます。
その他の情報も、わかる限りは調べておきましょう。
会社のHPはもちろん見ておくし、名前で検索してSNSなどへの投稿があったら、それも読んでおく。
出身地や卒業した高校や大学、「好きなもの」や趣味についても、共通の知人に聞くなどして、できる限りリサーチをしておきます。
これは、会話を盛り上げるテクニックの一つである「共通点を探す」ことにもつながります。著名な方だったらウィキペディアぐらいはとりあえず読んでおきましょう。
「え、そこまでやるの?」「なんだか、それってちょっと計算高い(やらしい)気がする……」と感じるかもしれませんが、目的は「相手に喜んでもらう」ことですから。自分が姑息だとか計算高いだとか、そんなことははっきり言ってどうでもいいことです。気にしなくていい。
相手が嬉しいかどうか、がすべての準備・行動の指針となります。
調べたことを、そのまましゃべるのはNG
会う前にいろんな情報を調べて準備しておくことはとても大事なのですが、調べたことをペラペラと一方的に話すのはNGです。少し高度なテクニックになりますが、理想は「調べて知っているけど、それを相手の口から引き出す」という形です。
たとえば、事前に調べたら、同じ都道府県の出身だったとします。この時、会ってすぐに「○○さん、大阪出身ですよね。私、同郷です」とは言わない。他の話題を楽しみながら、何か関西の人っぽい発言があった時に、「あれ、もしかしてご出身は関西ですか?」と聞くんです。それで「大阪です」と言われたら、そこで初めて「私もです!」と大喜びする。このほうが、絶対盛り上がります。
また、これはある意味リスクヘッジにもなります。
というのは、出身地や出身大学などについては「話したくない」という人もいらっしゃいます。最初から勢い込んで「同郷です」とか「同窓です」と言うと、その場合には大きく外してしまいます。出していい話題かどうかを判断するためにも、準備した情報は胸に秘めて様子を見ながら小出しにしていくのが無難です。