ビジネスパーソンが歴史上の人物を「推す」のには
理由がある
『鎌倉殿の13人』が大ブームです。源頼朝を中心とした源氏政権の話かと思ったらさにあらず、ドラマの初期に活躍した片岡愛之助さん演じた北条宗時が語ったとおり「東国を坂東武者の国にする」というビジョンがドラマの中心テーマ。北条を中心とする、源家抜きの合議制武家社会がこの後確立されていきます。
さて、ビジネスパーソンはだいたいの場合、いい年齢になってくると歴史上の武将や偉人に「推し」が生まれます。これは間違いないですよ。60代、70代の経営者に「あなたの好きな歴史上の人物とその理由は?」と尋ねたらほとんどの人が最低60分、熱く思いを語ってくれるものです。
鎌倉殿の主人公である北条義時は、これまであまり脚光が当たってこなかった人物ですが、今回の鎌倉殿ブームで、ちょうど今、中高年ビジネスパーソンからの「推し」が増えてきている状況でしょう。小栗旬演じる義時が、組織の中で巻き込まれながら方向性や目的意識の違う御家人たちを根回しや目配りで統率していく力量は、いかにも老練なビジネスパーソンが好みそうなスペックです。