「急に外していいと言われても…」
戸惑う40代男性たち

 まず、このたび厚労省が示した「マスク着用緩和」に対する市井の声は、たとえば以下のようなものがある。
 
「マスクをする生活にすっかり慣れているから、『外していい』と言われても外す気にならない。外して歩いて、周りの人に『あの人外してない?』という目で見られる方が嫌」(40代男性)
 
「そうはいっても感染リスクは依然としてあるので、なんとも……。暑い夏の盛りに外してもいいという選択肢が出てきたのはありがたいが」(40代男性)
 
 2人とも40代男性であるが、筆者(40代男性)が自身の声をこのような形で紹介しているわけでないのでご安心願いたい。
 
 ただ、おおむね筆者も彼らと似たような感想である。長く続けられてきたマスク生活によって「マスクをしているのが当たり前」になっていて、現在マスクを外したいと特に感じていない。そして外した際の爽快感・解放感を想像してみるのだが、いまいちひかれない。それだけ、マスクを着用しない状態が縁遠いものになってしまったということであろう。
 
 それより、マスク非着用によって生じるリスクの方にばかり意識がいく。感染・まん延防止対策しかり、周りの目しかりである。厚労省がお触れを出したとて世間の認識が一朝一夕で刷新されるわけはないので、道行くマスクをしない人を見て「けしからん!」と感じる人はしばらく残存するはずである。で、そういう人にうろんな視線を送られたり、直接怒られたりする事態を想定すると、やはり「マスクは着用する方が無難」となる。