米アマゾン・ドット・コムのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は個人攻撃と考えない方がいいかもしれない。アマゾンは25日、ジャシー氏のCEO就任後では初となる年次株主総会を開いた。ジャシー氏を待ち構えていたのは、同社史上最多となる15件の株主提案だった。同社が全ての提案に「反対」票を投じるよう推奨したことは想定内であったし、全提案が実際に否決されたこともほぼ想定内だった。アマゾンの株主が不満を抱く理由は確かにある。今年に入ってから同社の時価総額が6000億ドル(約76兆円)余り吹き飛ぶのを目の当たりにしたからだ。その背景には、同社が大幅に拡大した商品の保管・配送能力を見直しているさなかに、電子商取引業界全体の売り上げが落ち込んだことがある。その結果、アマゾンは売上高の伸び鈍化と利益の減少という二つの圧力に直面している。市場関係者はアマゾンの今年の増収率が12%となり、過去5年間の年平均(28%)を下回るとみている。営業利益は21%の減少と、過去5年間の年平均である57%増からマイナスへの転換が予想されている。