夏が近づいており、在庫があれば非常用発電機を購入して備えることを勧める。北米電力信頼度協議会(NERC)は先週、米国の3分の2が今夏、停電に陥る可能性があると警告した。これが「グリーンエネルギー移行」の結果だ。われわれは長年にわたり、気候変動対策の推進により、電力需給の変動に対する電力網の脆弱(ぜいじゃく)性が高まると警告してきた。そして現状に至った。主流メディアの一部は、停電が起きるとみられることを遅ればせながら理解しつつあるが、本当の問題を認識してはいない。それは、グリーンエネルギーの利用に強制的に移行することで、エネルギー市場がゆがめられ、送電網の不安定化が生じていることだ。進歩派は、電力網問題の原因は気候変動にあると主張している。米西部の干ばつが一因となっているのは間違いない。NERCの報告書によると、西部の水力発電所の稼働率は低水準で、冷却用にミズーリ川の水を利用する熱出力発電所(原子力発電所および化石燃料を使う発電所)の今夏の出力に影響が出る可能性があるという。
【社説】米計画停電の夏に備えを
グリーンエネルギー政策で送電網の不安定さ増す
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