潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたのかが分かる――これは著名投資家ウォーレン・バフェット氏の印象的な言葉だ。今年、市場から潮が引いたのは間違いない。だがほとんど問題は起きていない。今回は裸の泳ぎ手がそれほど多くなかった可能性があるのだろうか。楽観的な見方はこうだ。問題を起こす張本人――借金で元手を膨らませる投機家――が過去2年間ですでに窮地に陥り、いつもの策略を巡らす余裕がなかったのだろう。一方、悲観的な見方はこうなる。破綻が起きるのはこれからだ。まずはポジティブな面を考えよう。最近の一連の危機を受け、投資家は危険を再評価し始めている。2020年初頭には新型コロナウイルス大流行のショックから、レバレッジ取引や米国債を担保にした翌日物借り入れをめぐる深刻な問題が露呈した。米連邦準備制度理事会(FRB)が介入して市場を下支えしたが、国債市場の読みが外れて大損を被った債券ヘッジファンドは賭けを抑制した。
米金融市場、次の破綻の芽はどこに
今年市場から潮が引いたのは確かが、ほぼ問題は起きていない――今のところは
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