廃虚と化したウクライナ南東部マリウポリで今月、ロシア占領軍がレーニンレーニン共産主義青年同盟にちなんで改名された中央広場に赤い旧ソ連旗を振る老婦人の像が設置された。ハリコフ近郊にあるこの村の住民アンナ・イワノワさんを称える像だ。ロシアが唱える戦争の大義名分を象徴するものとして、ロシア各地やウクライナ占領地で同じような像が立てられ、フレスコ画や看板として複製されている。ロシアでは4月、ウクライナ兵士が撮影した動画が瞬く間に拡散した。その動画では、パトロールするウクライナ兵をロシア兵と間違ったイワノワさんが旧ソ連旗を持って出迎えている様子が映っている。ウクライナ兵がその旗を地面に投げ捨てると、怒ったイワノワさんは兵士から食糧支援の袋を受け取るのを拒否。「私の両親はこの旗の下で戦った。あなたはその旗を踏みにじっている」と兵士をしかり、「旗を返して」と要求している。