都市部に通う労働者が嫌っているのはオフィスではない。通勤だ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でリモート勤務が急増し、自宅で働く人が増えたことでオフィスビルは閑散となった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が米国勢調査局のデータを分析した結果や警備システム会社キャッスル・システムズによると、通勤時間が長い都市が経済的に最も大きな打撃を受ける一方で、職場の近くに住んでいる人が多い都市はオフィス復帰率が高い。オフィス勤務者を対象にした最近の世論調査も、この分析を裏付けている。例えば、ギャラップが昨夏に行った調査によると、リモート勤務を希望する人の52%が、オフィスに行きたくない1番の理由に通勤時間を挙げた。心身の健康や柔軟性といった回答が多かった他の理由も、通勤時間と密接に関連している。