人的資本投資の拡充は
岸田「新しい資本主義」の中核
岸田政権は「新しい資本主義」における成長戦略の中核に人的資本投資を位置付ける。
6月7日に閣議決定される「骨太の方針」では、重点投資分野として、人への投資のほか、科学技術・イノベーションやスタートアップへの投資、さらにはGX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資が掲げられる見通しだ。
とりわけ人的資本投資拡充による働き手のスキルアップは、各産業政策の実現に必要な人材を確保するという点で、GXやDXなどの分野の基盤になる。
政府は「3年間で4000億円」の「人への投資」の政策パッケージを創設すると表明しており、「人への投資」を重視する方針を打ち出した点は評価できる。
しかしこの規模では少なすぎる。日本の生産性を引き上げて欧米並みに経済成長率を引き上げるためには、官民で年間4兆円程度の人的資本への投資が必要だ。