日本銀行の黒田東彦総裁による「家計の値上げ許容度は高まっている」発言が炎上中だ。ツイッター上では「#値上げ受け入れてません」がトレンド入りした。日銀総裁の発言は何重にもチェックされているはずなのに、なぜ失言をしてしまったのか。その裏には、前代未聞の不祥事の影響が見え隠れしていた。(イトモス研究所所長 小倉健一)
日銀総裁が謝罪に追い込まれる異常事態
なぜ「失言」が生まれたのか?
日本銀行の黒田東彦総裁が放った想定外の「バズーカ砲」が炎上している。資源高や食料品などの値上げが相次ぐ中、「家計の値上げ許容度は高まっている」などと発言し、コロナ禍で苦しむ庶民感情を逆なでしてしまったようだ。
猛批判にさらされて発言撤回に追い込まれたが、期待に働きかける異次元の金融緩和を打ち出し、誰よりも「気」に敏感であるはずの黒田氏はなぜ失言を放ったのか。
そして何よりも、マーケットに大きな影響を与える日銀総裁の発言は、さまざまな事前チェックを経てから確定するはず。それにもかかわらず、なぜ失言に至ってしまったのか。
その背景を探ると、前代未聞と言われる不祥事が浮かび上がった。