どう褒められたら自分は受け入れやすいのか、
把握できていますか?

 先にも述べたように、日本人は褒められ慣れていないため、褒めるという行為がどんなものか深く考えたことがありません。

 その上、褒められ慣れていないと褒めることへのアンテナが育ちませんし、無理に褒めると、かえって相手から「バカにしてるんですか!」と怒りを買うことにもなります。

 褒めるということは、本当に今の日本人には難易度の高い行為なのです。

 じゃあ、どうしたら褒め上手になれるのかと言うと、やはり「自分が褒められて嬉しいこと」に対して常に注意を向け、意識することです。

 どう褒められたら自分は受け入れやすいかも含めて考えながら、褒められたことを受け入れ続けることが、「褒めて、素直に受け入れてもらいやすい」人間になるための近道です。

 今まで「どう褒めて欲しいか?」「どう褒めてもらえたら抵抗なく聞けるか?」を考えたことがある人はどれくらいいるのでしょうか。

 多分、ここを読んでいてビックリしている人が大半だと思います。

 仕事の成果に対して褒めてほしいのか、それとも努力した過程を褒めてほしいのか、自分が長所と思っていることを褒めてほしいのか?

 逆に、自分でも気づいていなかった個性を褒めてもらうと嬉しいのか。自分が果たしてどう褒めて欲しいかを具体的に考えましょう。

 【POINT】
 自分が他人からどう褒めて欲しいのかを具体的に考えるようにする。

バク@精神科医
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー6.5万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。