関東の保育園に勤務するかたわら、園児たちの日常をつぶやくTwitterが55万フォロワー超えと大人気のカリスマ保育士・てぃ先生。子育てや保育に関するお役立ち情報を発信するYouTubeチャンネルも登録者数65万を超え、今やテレビやラジオなどのメディアでも引っ張りだこ。『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て〇×図鑑』といった著書も軒並みベストセラーとなっている。
一方の精神科医Tomy先生は、Twitterで日々悩める人々の心を救い、30万フォロワー突破。精神科医Tomyが教える1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』をはじめシリーズ27万部突破と大ヒット中。自身初の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』も増刷を重ねて乗りに乗っている。
普段から子育て中の親世代と接している2人は、何かと相談を持ちかけられることが多い。また、SNSでは悩みに答える発信を得意とするインフルエンサーでもある。よくある親の悩みにどう答えるか、子どものメンタルの問題への向き合い方、SNSで発信する際に心がけていることなど、2人が語り合った内容をお届けする。

【てぃ先生 X 精神科医Tomyが教える】専門家には当たり前の知識が、「そうなんですか!?」と驚かれる

専門家には当たり前の知識が、
「そうなんですか!?」と驚かれる

Tomy:てぃ先生は2012年からTwitterを始められたそうですが、どんなきっかけだったんですか?

てぃ先生:当初は保育園で起きたかわいいエピソードを中心に発信していたので、「誰かの役に立ちたい」みたいな意図はあまりなかったんです。あるとき、ちょっとしたきっかけから子育てのアドバイスをつぶやいたら、全国のお父さんお母さんたちから大きな反響があって、そこから子育てに関する質問とか相談を受けるようになりました。ハウツー系のツイートをするようになったのは、5~6年目くらいからだと思います。

Tomy:日常の出来事を発信されていくうちに、自然発生的に子育ての情報を発信するようになったんですね。

てぃ先生:そうなんです。もしかしたらTomy先生も同じかもしれないですけど、僕たち専門家にとっては当たり前のこととか、「そういうのは、こうすればいいんじゃないかな」と思うようなことを、実は世間の方々があまり知らないということがあります。「できなかった」というより、「そもそも知らなかったから、やりようがなかった」ということが多いんです。そのことに気づいたので、発信し始めました。

Tomy:わかります。自分たちとしては当たり前で、話題にすらしないようなことでも、何かの機会にぽろっと口にすると、「そうなんですか!?」と驚かれるようなことがあります。そういう情報をフィードバックしていくと、とても有益なものになるんです。ちなみに、てぃ先生としての活動は、職場内で知れ渡っているんですか?

保育士がメディア出演をするとどうなる?

てぃ先生:もちろん、全員知っています。

Tomy:保育士とてぃ先生の活動を両立する難しさって、ありませんか?

てぃ先生:いま僕がいる保育園は、職場としては4つめの保育園です。いまの保育園には、こういう活動をしていいという前提で入っているので、やりにくさを感じることはないですね。前の保育園では「Twitterをやりたい」という話をしたら、「ダメだ」と言われたので、Twitterをやってもいいと言ってくれる保育園に移籍したという経緯です。

Tomy:保育士さんがTwitterをやるのって、保育園にとって嫌なことなんですか?

てぃ先生:やっぱり幼稚園・保育園はプライバシーに関してとても厳しいので、仮に匿名であってもNGという方針の園もあります。その中で、いま僕がいる保育園のように、個人を特定できない内容であればOKという園もあるという感じですね。

Tomy:てぃ先生はテレビにもよく出演されているから、保護者の方や園児にも反響が大きいんじゃないですか。

てぃ先生:テレビに出たからといって、みなさんが想像するような有名人扱いされることはないです。お母さんお父さんは「先生、昨日見ましたよ」とか、子どもたちも「先生見たよ」と言ってくれる程度です。

Tomy:それは意外です。仕事に影響があるとか、気軽にファストフードを食べられない、みたいなことを勝手に想像していたので。

てぃ先生:ないですね。唯一変わったのは、この4月から「ハロー! ちびっこモンスター」(NHK Eテレ)という番組にレギュラー出演するようになり、街中でよく声を掛けられるようになったことです。なので、以前にも増して誰に見られても恥ずかしくない振る舞いを心掛けています。

(構成:渡辺稔大)