米連邦準備制度理事会(FRB)の幹部らはこの2カ月、0.5ポイントの利上げによって物価上昇圧力が弱まるまで経済を減速させてインフレを抑える計画に、投資家を適応させようとしてきた。今週の連邦公開市場委員会(FOMC)では、10日に発表された5月のインフレ率が40年ぶりの伸びとなり、消費者の長期インフレ期待が14年ぶりの高水準に達したことを受けても、FRB幹部らがそうした対応で問題ないと感じているかどうかが明らかになるだろう。調査ベースで計測されるインフレ期待は、それが自己実現的であると考える中銀関係者にとって重要な意味を持つ。一部のアナリストは、FRBのジェローム・パウエル議長が市場の意表を突き、予想を上回る0.75ポイントの利上げに踏み切ることもあり得るとみているが、そうした動きはFRBの今年の対応から大きく逸脱することになるため、実現性は低いままだ。