他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。
「お似合いですね」はシンプルで万能の一言
相手の雰囲気やファッションについて何か一言伝えたい時、何と言えばいいのか迷いますよね。
きっと多くの人は「おしゃれだな」と思っても、何も言わないのではないでしょうか? このご時世セクハラなどを気にして、褒めづらい…と感じる人もいるでしょう。
でも好かれる人はナチュラルに褒め上手で、「いいな」と思ったらシンプルにさらりと伝えています。たとえば、
「お似合いですね」
のフレーズ。これは全体の雰囲気を褒める言い回しです。具体的な褒め言葉がパッと浮かばないときにも使えて便利です。
「季節感」を出すと大人の一言に
季節感を交えながら伝えるのもいいでしょう。
今の季節なら、
「初夏らしくて素敵ですね」
初夏の部分を換えて、どんな季節にも使える褒め言葉です。ファッションのことがよくわからなくても、その季節らしさを感じたときにぜひ伝えてみてください。
またファッション好きな人には、
「着こなしが、あか抜けていますね」
なんていう表現もいいですね。洗練された都会的な着こなしの人に伝えると、喜ばれます。
ファッションの褒めポイントに迷ったら
ファッションを褒めるのは案外難しいですよね。
迷ったら、いちばん目立つ、サイズや色、柄のアイテムを褒めて。鮮やかな色のバッグやマフラー、靴、大きな花柄のスカート、大きいサングラスやピアス、ブレスレットなど。目立つ色や大きいアイテムは「主役」にしたいポイントなので、そこをねらって褒めましょう。
持ち物は褒めやすい
服や髪形とは違い、ペンやノート、スマホケースなどの持ち物は、男女問わず褒めやすいポイントです。
「使いやすそうですね」
こんな感じで機能について褒めるのがいいでしょう。
親しい人なら、仕草を褒めてみる
距離感が近い相手や、信頼関係のある人になら、仕草などを褒めるのもおすすめです。たとえば、
「所作が美しいですね」
お箸の使い方や歩き方など、仕草を褒めることは、相手の丁寧な生き方や育ちのよさを肯定することになります。
美しさを褒めるとき、日本語にはいろんな「美しさ」があります。
◎控えめで慎ましやかな美しさ
・清楚 ・淑やか ・たおやか ・奥ゆかしい など
◎格調の高い美しさ
・麗しい ・気品 ・優雅 ・艶やか など
それぞれ微妙にニュアンスの違う、魅力ある言葉です。相手やシーン、雰囲気に合わせて、表現をセレクトしてみてくださいね。
『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)