他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。
「よかったです」以外で感想を伝えてみる
何かを見たり聞いたりして感動した時に、どんな言葉で感想を表現していますか?
たとえば映画などの作品を観て、
「よかったです」
「すごかったです」
といった感想しか言えない人、多いと思います。
けして間違いでありませんが、感動したときの心の揺れ動きを相手にしっかり伝えたい時は、
「感銘を受けました」
と伝えてみましょう。「銘」は、感動を「心に刻み込む様子」を表す言葉。
忘れたくないくらい素晴らしかったことが伝わります。
心静かに感動したとき
また静かに感動したときには、
「心に染みます」
なんていう表現も素敵ですよ。「染みる」は、感動をじっくりと味わうような、穏やかでゆるやかな心の動きを表現できる言葉です。
美しさに感動したとき
美しいものに触れた時の感動を伝えるには、
「得も言われぬ美しさですね」
もいいですね。これは何とも言い表せないときや、言葉にすることさえ野暮というシーンで使いたい表現です。
激しく感動したとき
激しく感動したことを伝えたい時は、
「高揚感に包まれました」
「心の琴線に触れました」
「心を揺さぶられました」
これらは、想像を超える素晴らしさに出合った感動を伝える表現です。衝撃的な心の動きや深い感動が伝わります。
この人素敵だな、上品だなと思われる人は、毎回同じ表現ではなく、シーンやレベルに合わせて表現を変えています。
感動上手な人になるには?
日頃から「今、私はどう感じたんだろう?」「何に反応したんだろう?」「この気持ちにぴったりな言葉は何だろう?」と、自分自身に問いかける練習をしてみましょう。
時間があれば、言葉の意味を調べるのもおすすめです。「感動しました」だけでなく、もっと深く自分の気持ちを伝えられる言葉が見つかりますよ。
感動はオーバーに伝えてOK
感動を伝えるときは、抑揚をつけて話したり、ジェスチャーを交えたりしましょう。少しオーバーでもまったく問題なし。気持ちを抑える必要はありません。心が動く感じや、胸が高鳴って心臓の音が強くなるような感覚を、まずは自分が思い切り味わうことが大切です。そうすると感動を分かち合いやすくなりますよ。
『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)