回転ずし最大手のスシローが10月の値上げを表明し、「脱・100円ずし」路線に踏み出す。客離れが懸念されるものの、運営会社あきんどスシローの親会社フード&ライフカンパニーズの水留浩一社長は、「客は戻る」と強調する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
――値上げを発表し、「脱・100円ずし」の路線を打ち出しました。
店舗を運営する全てのコストが上がっています。すしネタの原材料はもちろんのこと、水道光熱費や人件費もです。この状況下でも、ネタのサイズを小さくしたり、グレードを落としたりすれば、「100円」を維持することも不可能ではありませんでした。しかし、その場合、すしのおいしさを犠牲にしなければならないのです。
つまり、すしのおいしさを維持して値上げするか、おいしさを犠牲にして価格を維持するか、二つの選択肢がありました。
われわれはおいしいすしを提供するのが企業の基本スタンス。だから、値上げを決断しました。値上げしますが、これまでと同じ味、あるいはそれ以上の味を提供し続けますということです。
――10月に約10%値上げして、客単価と客数はどのように変化すると見込んでいますか。
客単価は商品構成の魅力度を上げて、できるだけ食べる皿数を減らさないように頑張りますが、7~8%増加にとどまるのではないでしょうか。そして客数は10月に一時的に減少するかもしれません。ただし、数カ月後に客足は戻ってくるでしょう。
――なぜ、「客は戻る」と言い切れるのですか。