コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は花王、資生堂、ユニ・チャームの「生活用品」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
ユニ・チャームが2ケタ増収の裏で
資生堂はマイナス成長
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の生活用品業界3社。対象期間は22年1~3月の四半期としている。
各社の増収率は、以下の通りだった。
・花王
増収率:8.2%(四半期の売上高3468億円)
・資生堂
増収率:マイナス1.3%(四半期の売上高2340億円)
・ユニ・チャーム
増収率:12.3%(四半期の売上高2044億円)
生活用品3社では、花王とユニ・チャームは前年同期比で増収となった。中でも、ユニ・チャームは2ケタ増収と好調だ。一方、資生堂はコロナショックの後遺症から抜け出せず、唯一の減収となった。
資生堂とユニ・チャームの明暗を分けた要因は何だったのか。過去をひもとくと、2社の間に存在する「ある因縁」が、巡り巡って現在の業績に影響を及ぼしていることがうかがえた。
次ページでは、時系列データを踏まえて各社の状況を解説するとともに、「因縁」の正体を明らかにする。