ダイヤモンド決算報#通信Photo:Yuichi Yamazaki/gettyimages

コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はNTT、ソフトバンク、KDDIの「通信」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

通信業界3社はいずれも増収
中でもソフトバンク好調

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下の通信業界3社。対象期間は、22年1~3月の四半期としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・NTT
 増収率:0.9%(四半期の営業収益3兆2332億円)
・ソフトバンク
 増収率:8.5%(四半期の売上高1兆5168億円)
・KDDI
 増収率:3.2%(四半期の売上高1兆4329億円)

 通信業界は、政府の携帯料金値下げ要請を受けて、昨年3月に相次いで格安の新料金プランを導入し、売り上げ減少のリスクが高まっていた。

 しかし、ふたを開けてみれば、3社とも前年同期比で増収となっている。特にソフトバンクは10四半期連続の増収を記録する好調ぶりだ。しかも、通期の決算としても「過去最高ラッシュ」をたたき出した。携帯料金の値下げがあったにもかかわらず、好業績に至った理由は何か。

 次ページでは、データを交えて詳しく解説する。