菅前首相が明かす「携帯4割値下げ」の攻防、キャリア3社に突き付けた“正論”インタビューに応じる菅義偉前首相 Photo by Masato Kato

菅義偉前首相の独占インタビューを全4回にわたってお届けする。今回のテーマは、「携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」という発言とともに菅氏の政策の代名詞となった携帯料金値下げだ。特定の業界や企業の経営に政治が介入することについて「批判があるのは当然分かっていた」という菅氏は、「だから正論から入った」と明かす。「4割値下げ」の攻防と、菅氏がキャリア3社に突き付けた“正論”に迫る。(イトモス研究所所長 小倉健一)

菅義偉前首相が携帯会社を観察して感じた
「常識的に考えておかしい」こととは?

――2018年に「携帯電話料金は4割程度下げる余地がある」として、値下げを具体的に検討するよう強く促しました。その後、携帯電話各社が驚愕の格安プランの提供を始め、今、国民の多くがこの政策の恩恵を受けています。この問題に取り組むきっかけは何だったのでしょうか。

 私は、第1次安倍政権(06~07年)において、携帯電話を所管する総務大臣をやりました。今や携帯電話は広く普及していて、1人1台の時代です。国民の暮らしになくてはならない「ライフライン」と言っていいものです。

 国民の財産である公共の電波を利用している携帯電話会社について注意深く観察していくと、常識的に考えて「おかしいな」と感じることが多いことが分かりました。