「名選手、名監督にあらず」と言われるが、ビジネスパーソンは、「トップタレント、名管理職にあらず」に陥ってしまってはならない。自らがプレーヤーとして優秀だったのに管理職として部下を生かしきれない人材には、部下を育成しようとするときのアクションに「共通の特徴」がある。それが部下の能力開発を妨げてしまっているのだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
「名選手、名監督にあらず」は本当か
「名選手、名監督にあらず」と、よく言われる。パフォーマンスが高い選手ほど、指導者としてそのレベルに到達する選手を育成することは難しいということだ。
これは、ビジネスパーソンにも当てはまる。プレーヤーとして高いパフォーマンスを発揮してきたトップタレントと呼ばれる立場から、チームメンバーのパフォーマンスを高める役割を担う管理職になった途端に、その役割を発揮できなくなる人がいる。「トップタレント、名管理職にあらず」――の状態に陥ってしまうのだ。
では、そうならないためにはどうすればいいのか。
そもそも、自身の能力を発揮するために自分自身で実施するべきことと、チームメンバーの能力を発揮させるためにリーダーが実施するべきことは、大きく異なる。ともすれば、真逆にもなる。個人プレーヤーから管理職になったときに、そのことに気づいて、実施すべきことを180度転換させる必要がある。