コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はfreee、マネーフォワードの「フィンテック」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
クラウド会計ソフト「2強」は
「サブスク型」のサービスが武器
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のフィンテック業界2社。対象期間は2021年12月~22年3月の直近四半期(マネーフォワードは21年12月~22年2月期、freeeは22年1~3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・freee
増収率:35.7%(四半期の売上高37億円)
・マネーフォワード
増収率:37.2%(四半期の売上高48億円)
※freeeは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、同社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
freee、マネーフォワードともに前年同期比で3割超の大幅増収だった。クラウド会計ソフト業界の国内「2強」である両社は、ユーザーから定期的に利用料を受け取る「サブスクリプション型」サービスが成長の原動力になっている。
次ページでは増収率の推移を紹介するとともに、両社のサブスクリプション型サービスの現状を詳しく見ていく。