「押し目買い」信仰、最後の砦は個人投資家Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 個人投資家は、金融市場の「気まぐれな風」と揶揄(やゆ)されるが、「押し目買い」信仰を持ち続けている唯一の存在である。だが、彼らの押し目買い意欲にも限界があるようだ。

 株式の売買動向を調査するバンダトラックが22日に発表した最新データによると、S&P500種指数は過去数十年で最悪の上半期になりそうな状況だ。ただ、過去1カ月間の個人投資家の米国株売買状況はまだ240億ドル(約3兆2400億円)の買い越しとなっており、過去2年の平均並みにとどまっている。2020年2月の新型コロナウイルス感染症の影響による急落や2021年後半の暴落時とは異なり、一般的に上場投資信託(ETF)よりもセンチメントの変化の影響を受けやすい個別銘柄の購入でさえ堅調に推移している。

「コール」オプション(投資家は株式を買う権利を保有するが、義務はない)と「プット」オプション(売る権利)のオプション価格の差は、全体的に縮小している。これは、株式市場のリスクが下振れ方向に傾いていると考える投資家が増えていることを示している。さらに、機関投資家が取引するオプションでは、この動きがより大きくなっている。機関投資家はさらなる下落を予想したポジションをとっているが、アマチュア投資家は慎重ながら楽観的な見方を維持している。