2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」は言わない
私は講演会などで、たびたび「五戒」について話をします。
「五戒」とは、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」の5つです。
「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を口にしないように戒めようというのが、私の唱える「五戒」です。
何があっても、「五戒」を言わずに、口から出る言葉がすべて優しく、周囲の人を元気づけるものであれば、神様や宇宙を味方につけることができます。
たとえば、信号を渡ろうとして横断歩道にさしかかったとき、ちょうど信号が青に変わる。
買い物をしてお金を支払うとき、小銭入れの1円玉の数がピッタリだった、といったことがいつも起きる。
言い換えれば、「ツキを味方にできる」ようになります。
「自分の発した言葉」が自分の人生をつくる
一方で、いつも「五戒」を口にしていると、神様や宇宙を敵にまわしてしまいます。
なにげなく天気の不満を口に出している間は、否定的な論評をする癖がついたままです。どんなに一所懸命生きているつもりでも、神様や宇宙は味方になってくれません。
人間は、「自分の発した言葉」で自分の人生をつくっています。「私」の周囲の環境や、自分が立たされた状況は、すべて「自分の発した言葉」によって形成されていきます。
ですから、朝から晩まで、「嬉しい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ツイてる」と言い続けると、この言葉をまた言いたくなる現象や出来事に囲まれます(私は、「嬉しい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ツイてる」の7つの言葉を、七福神ならぬ「祝福神」と呼んでいます)。
反対に、「五戒」を口にしていると、「ツイていない人生」を送ることになります。
「思いどおりにならない人生」を送った理由
以前、午前2時くらいに、私に電話をしてきた方がいます。この人は、次のようなことを言いました。
「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句を言わないでいたのですが、4ヵ月たっても、思いどおりの人生を送れない」
私は、電話口で、こう答えました。
「そういうのを、不平不満と言うのではありませんか?」
宇宙が自分の味方をしてくれない、自分の思いどおりの人生にならないと、嘆く人がいます。
ですが、よく考えてみると、「電車に乗った」「電話をかけた」「お茶を飲んだ」「食事をした」といった日常の行動は、すべて自分の意思でそうしたものです。
だとしたら、多くのことが「思いどおりになっている」ではありませんか。
また、こんな話もあります。東京に住む70代の女性が、50年間、ことあるごとに同じセリフを言い続けてきたそうです。
「20歳のときに会社を興してもダメで、40歳のときにボランティアグループをつくろうとしたときも人が集まらなかった。何かイベントをしようとしても、全部ダメだった。私の人生は、何をするにせよ、思いどおりにならなかった」
この女性は、「私の人生は思いどおりにならなかった」と思い違いをしています。
「全部、思いどおりになっていた。全部、言ったとおりになっていた」ことに気がついていません。
自分の発した言葉が、人生をつくります。「思いどおりにならない」と言い続けたからこそ、たしかに「思いどおりにならない人生」を送ることになったわけです。