変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、6月29日発売)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)で、IGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏だ。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていく時代。これからは、組織に依存するのではなく、一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルにならざるを得ない。本連載では、そのために必要なマインド・スキル・働き方について、同書の中から抜粋してお届けする。

MBAの授業で、正解を答える以上に評価されることとは?Photo: Adobe Stock

鮮度の悪い情報は誰も必要としない

 皆さんは、新聞を毎日読んでいるでしょうか。

 おそらく、ここ10年程度で新聞の定期購読をやめた人が多いのではないかと思います。日本新聞協会によると、新聞の発行部数は2011年から2021年の10年間で4800万部から3300万部と大幅に減少(31%減)しています。1世帯当たりの発行部数も、同時期に0.90部から0.57部へと激減(37%減)しています。

 今では、ニュースキュレーションアプリを使えば、世界中の情報をまとめてリアルタイムで把握することができます。大手新聞社の発行部数の推移からも、鮮度の悪い情報に対するニーズが低下していることは一目瞭然です。

 では、皆さんの日々の仕事ではどうでしょうか。

 分からないことがあればグループチャットで質問することで、すぐに誰かが答えてくれるのではないでしょうか。貢献してくれた人はコミュニティ内での信頼が高まる一方で、返信が遅い人や返信しない人は、役に立たない人としてコミュニティから忘れ去られます。

 会社だけではなく、個人としても鮮度が良いうちに情報を発信することの重要性が高まっています