金は「カントリーリスクのない通貨

 また、金には「通貨」としての顔もあります。現物資産にはプラチナや銀などの貴金属もありますが、中でも世界中で「通貨」として認められているのは金だけであり、金は「カントリーリスクのない通貨」ともいわれます。

 金は、債券や株式のように利息や配当を生まない資産なので、運用の主役にはなりえません。

 しかしインフレ局面では、現預金の価値が目減りすることへの対策として現物資産である金を保有することが有効な対策となります。

 また、金は株式や債券との価格連動性が低い傾向があります。ポートフォリオに組み入れることにより、運用資産全体の価格変動リスクを抑える効果が期待できるでしょう。

 【下図表】をご覧ください。

 

 

 先にご紹介した「スタンダード運用タイプ」のポートフォリオでは、「株式6割、債券4割」をベースとして、「日本を含む先進国株式40%、新興国株式20%」「先進国債券30%」「新興国債券10%」という比率で組み合わせていました。

 これをベースとして、金を組み入れる場合は「株式5割、債券4割、金1割」とするのがお勧めです。