日本銀行Photo:PIXTA

国債市場の異変が示すシグナル
日銀の金利抑制策は末期的状況?

 円安が進む中で日本銀行は、6月17日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和の堅持を決めた。

 15~16日には米FRB(連邦準備制度理事会)やスイス国立銀行が利上げを決めていたが、その直前に起きたのが、国債市場の異変だ。

 10年債利回りが、日銀が定める上限(0.25%)を一時上回って推移した。また、残存7~9年の国債の利回りが10年債利回りを上回るという「逆イールド」現象が一時生じたのだ。

 これは、極めてテクニカルな問題のように見えるかもしれないが、日銀の金利抑制策が“末期的状況”に陥り、その結果、国債市場が深刻な問題を抱えるに至ったことを示す、実に重要なシグナルだ。