中大型バイクのEV化が進まない理由、小型二輪は進展中でもサイズ間の格差埋まらずEVバイク普及に向けた実証実験「eやんOSAKA」に参画する企業の関係者ら 写真提供:eやんOSAKA説明会事務局

EV(電気自動車)普及元年といわれる2022年、話題の中心は四輪車で、二輪車のEV化についてのニュースは少ない。だが、実は二輪大手4社は共同で交換式バッテリー事業を進めている。その流れは、小型バイクだけでなく、中大型にも来るのか?(ジャーナリスト 桃田健史)

18カ月の実証実験が完了
利用者はおおむね「ええやん」という感想

 2022年はEV(電気自動車)普及元年といわれている。国産車では日産自動車「アリア」、トヨタ自動車「bZ4X」、スバル「ソルテラ」や軽EVの日産「サクラ」と三菱自動車「eKクロスEV」の本格的な発売が始まった。輸入車でもメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ボルボ、ジャガー、そしてテスラなどが続々と新型モデルを日本市場に導入してきた。

 EVの車両価格がガソリン車やハイブリッド車と比べるとまだ高く、また集合住宅での充電インフラに住民組合の意思統一をすることが難しい場合もあるなどの課題はあるが、国や地方自治体からの潤沢な補助金が設定されていることで、消費者のEV購入意欲が高まっている。

 一方で、二輪車のEV化については、まだ“道半ば”といったイメージを持っている人が少なくないのではないだろうか。

 例えば、小型EVバイクを使ったテレビの旅番組では、満充電での航続距離がとても短いことを逆手に取った面白企画として表現されているが、ユーザー目線で見ればEVバイクを日常生活で使った場合の利便性について不安を感じる人もいるだろう。

 次ページでは、交換式バッテリーを使ったEVバイク普及に向けた取り組みを紹介する。