小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を公開。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評だ。本連載では、同書より一部抜粋、加筆して特別に公開します。

【実践・販促テクニック】お客様に喜ばれながら売上が上がる【Win-Win販促】のススメ!空港レストランの事例Photo: Adobe Stock

ショーケース内のハヤシライスのサンプルに貼ってあった、
あるものとは?

 小さなお店や会社は人・物・金という経営資源が限られているので、ただ販促を行うのではなく【Win-Win販促】をおススメしています。

【Win-Win販促】とは、何か? それは、売る方も買う方も、共にメリットがある販促のことです。

 販促(販売促進)を辞書などで調べると「キャンペーン等の施策を打ち出し、顧客が買うきっかけをつくり、購入意欲を促進させる事」というような説明が書いてあります。

 そのため、販促は人・物・金に余裕がある大企業がやるものというイメージがあり、小さなお店や会社は出来ないものという思い込みがありませんか。

 しかし、私は販促は大企業よりも小さなお店・会社こそやるべき事だと思っています。なぜなら上手く行えば、少ないお金、少ない時間、少ない人数で売上を上げることが出来るからです。

 どういうことか? 実際にあった事例で説明しましょう。空港にあるレストランの話です。

 レストランの入口のショーケース内にあるハヤシライスのサンプルのところに、次のようなPOPが貼ってあるのが目に入りました。

お急ぎのお客様へ

 このPOPが付いている事で、飛行機の搭乗時間まで時間がないけど、どうしても食事を済ませたい人は「ハヤシライスならすぐ出てくるのか。良い事を教えてくれた。じゃ食べていこう!」と思うことでしょう。

「良い事を教えてくれた!」とお客様は喜んで買い、
お店の売上も上がる

 逆にこのPOPがなければ、飛行機の搭乗時間まで時間がないけど食事を済ませたい人は、「お店に入ったのはいいけど、すぐ料理が出てこなかったらどうしよう。食べずに出る事になったら…」と思い、お店に入らずに売店でお弁当などを買ってしまい、レストランの売上は上がらないでしょう。

 つまりこのPOPを付ける事で、お客様も「良い事を教えてくれた!」と喜んで買うし、お店も売上が上がってWin-Winとなるのです。

 しかも、お店がやった事と言えばハヤシライスのサンプルに「お急ぎのお客様へ」というPOPを貼っただけです。

 このPOPを作って貼る時間、POPをつくる費用は、いくらもかかっていないでしょう。

 そして一度貼ってしまえば、人件費がかからないままで、営業部員のようにずっと告知し続けてくれるのです。

 これがまさに人・物・金に余裕のない小さなお店・会社こそやるべき、お客様に喜ばれながら売上が上がる【Win-Win販促】です。

 これはほんの一例ですが、こういった【Win-Win販促】のアイデアは、考えればいくらでも出てくると思います。

 この事例から学べる事は、「商品を買って喜ぶ人はどんな人かを考え、その人に気づいてもらえるように伝えるには?」と考える事です。

 もし、どうしても出てこないのであれば「マンダラ広告作成法」の⑤番目に考える「商品を買って喜ぶ人はどんな人(状態)?」の中に書かれている8つのキーワードを参考に考えてみてください。

 考えてみて、具体的なコピーが思い浮かんだら、それを想定するお客様に伝わるようにPOP等で表現してみてください。そうすれば、自然とお客様に喜ばれながら売上も上がる【Win-Win販促】になるでしょう。

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。