140円到達は時間の問題、“悪い円安”論議より「安いニッポン」脱却が王道1ドル=139円台に急落した円相場を示すモニター=14日午後、東京都中央区   Photo:JIJI

円相場140円台の見方も
海外金利の上昇続く

 内外金利差拡大を背景にした円安と物価上昇が進む中で、日本銀行が金融緩和を修正するのではないか、という思惑が金融市場には根強い。

 6月の日銀金融政策決定会合の前には、海外ヘッジファンド主導とみられる動きで、長期金利に強烈な上昇圧力がかかった。日銀は指し値オペを含む大量の国債買い入れで応戦するなど、対応に追われた。

 その金融政策決定会合で、日銀は緩和の継続へ断固たる姿勢を示した。2%を超える現在のインフレは持続可能ではなく、2%物価目標実現への道はまだ遠い、というのが最大の理由だ。

 黒田東彦日銀総裁は、金利を上げると景気に悪影響があることや、為替相場を目的として金融政策を動かすのが適当ではないことも、金融緩和を続ける理由として挙げた。

 しかし、それで金融市場が完全に納得したようにはみえない。他の中央銀行と日銀の間で、政策があまりにも違いすぎるからだ。円相場が140円に達するのは時間の問題という見方もある。

 約24年ぶり円安をどう捉え、対応すべきなのか。