「1円でも他店が安かったら値引き」の罠、最低価格保証にだまされるなPhoto:Diamond

家電量販店などで「当店より安い店がありましたらお知らせください」という文句を目にした経験がある人は少なくないだろう。「そこまでいうからにはこの店は最初から地域最安値なはず」だと、安心して買い物をしたことはないだろうか。しかしそこには罠があると、東京大学経済学部の阿部誠教授は指摘する。

「最低価格保証」は消費者ではなく
競合店へのメッセージ

 家電量販店、スーパーマーケット、ネットの旅行サイトなどでは、「他店よりも高ければ値下げします」という最低価格保証をよく見かけます。

 店舗にとっては、競合の価格調査を完璧に行わなくても、消費者がそれを肩代わりしてくれるというメリットもありますが、それ以外に、異なる受け手に対して違ったメッセージを発していることをご存じでしょうか?

「最低価格保証」や「値引きの代わりのポイント付与」など、家電量販店には一見すると消費者にとってお得に見える仕掛けがあふれています。しかし、何の疑いもなく飛びついてしまうと知らず知らずのうちに損をすることも。

 次のページからは、「最低価格保証にだまされてはいけないワケ」と、賢い消費者は「現金値引き」と「ポイント付与型の値引き」のどちらを選ぶべきかを、行動経済学の視点から解説します。