スリランカでは財政が破綻し、国家全体が大混乱に陥っている。パキスタンは国際通貨基金(IMF)から40億ドル(約5560億円)の緊急支援を受けたばかりだ。ガーナも支援策を仰いでいる。物価高に抗議する市民のデモは、エクアドルからチュニジアまで随所で発生している。規模の小さい中低所得国を中心に、世界では今、金融・政治危機が連鎖的に発生している。新型コロナウイルス対策の原資を調達するため外貨建て債務を積み増してきたこれらの国々は、ウクライナでの戦争や借り入れコストの上昇を背景に、燃料・食料価格の値上がりで身動きがとれない状況に追い込まれている。IMFの分析では、途上国38カ国が債務危機に陥るリスクがある。