インフレによって個人所得が目減りしつつある。それでも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期の貯蓄、ここ10年での債務返済、好調な労働市場などに支えられ、家計は全般的に過去何十年と同じように堅調だ。経済見通しは現在、これらの要素のうちどの比重がより大きいと判明するかにかかっている。米経済活動の3分の2超は家計支出に関連しており、リセッション(景気後退)は通常、消費支出の抑制を伴う。支出はパンデミック中に急増したが、今では冷え込みの兆しを見せている。ニューヨーク市ブルックリン在住のアレクサンドラ・ペーニャさん(27歳)は昨年、「わあ、こんなにお金が貯まったんだ」と考えていた。彼女は、夜のデートをキャンセルしたり、新婚旅行を延期したりしたほか、連邦政府の給付金が支給され、自身がより待遇の良い仕事に就いたことで、夫と合わせて2万1000ドル(約290万円)を貯めることできたと見積もっている。夫妻は貯蓄の一部を使い、自宅マンションで使うエクササイズバイク「ペロトン」を購入した。
お金あっても浮かない消費者、米経済への影響は
仕事がないことではなく、インフレが家計の不満要因に
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