英競売大手クリスティーズは18日、ベンチャーキャピタル(VC)投資会社クリスティーズ・ベンチャーズを立ち上げると明らかにした。シード期のスタートアップ企業への出資を通じて、コレクターによる実物やデジタルの美術品売買を支援する技術を育てる狙いがある。今後数週間のうちに、複数のスタートアップ企業に少なくとも総額数百万ドルを投資する予定だという。クリスティーズはすでに、ブロックチェーンをまたいだ暗号資産(仮想通貨)の利用などの支援を目指すカナダのスタートアップ企業レイヤーゼロ・ラブズに投資していると明らかにした。金額は公表していない。クリスティーズ・ベンチャーズでグローバル責任者を務めるデバング・タッカー氏は、美術品の真贋(しんがん)判断や所有者履歴の作成を効率化する技術などが投資対象になると説明した。また、NFT(非代替性トークン)化した美術品などのデジタル資産を安全に保管・売買するためのツールにも注目しているという。