債券トレーダーはもはや「宇宙の支配者」ではないかもしれないが、ウォール街では依然ヒーローになれる。2008年の世界金融危機から数年間、米銀行大手にとって債券・為替・商品(FICC)トレーディングは頭痛の種となっていた。FICC事業は金融危機以前から低迷が続き、規制や銀行のリスク志向の変化から立ち直ることができるかどうか、疑問視する向きも多かった。ところが最近ではFICC事業はウォール街で主役の座を獲得し、M&A(合併・買収)などの大幅な減少を補う役割を果たしている。金融危機後の長期間、FICC事業は超低金利を背景に低く評価されてきたといえる。調査会社コーリション・グリニッチによると、波乱に満ちた2020年は業界全体で債券収入は40%以上増えた。21年にはやや減少したものの、新型コロナウイルス流行前と比べると高水準を保った。
米大手銀、債券トレーダー主役の座に M&Aは低迷
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