英国の新首相を決める争いに、白人男性の候補者は残っていない。辞任を表明したボリス・ジョンソン首相の後任を決める与党・保守党の党首選で、18日に第3回投票が行われた結果、候補者は4人に絞られた。インド系移民の家庭に生まれたリシ・スナク前財務相が首位を走り、閣僚経験者のペニー・モーダント氏、リズ・トラス外相の白人女性2人がこれを小差で追う展開。10代の頃までナイジェリアにいた黒人女性のケミ・バデノック氏が4位につける。白人男性で唯一残っていたトム・トゥーゲンハット氏は最下位となり、レースから脱落した。数字以上に興味深いのは、米国と比較しても特徴が際立つ英国の政治状況だ。党首選びに際して、保守党はいつも新境地を切り開いてきた(とはいえ党員の大多数を依然として白人が占める)。一方、野党・労働党は一貫して白人男性が率いている。これは米国とは好対照をなす。米国の民主党は長らく共和党より多様性に富み、共和党は大統領候補に白人男性のみを指名してきた。