2021年度下半期の潜在成長率
(前年度同期比)

2021年度下半期の潜在成長率(前年度同期比)*日本銀行による推計

 新しい資本主義の実現を掲げる自民党は、2022年7月10日投開票の参議院議員選挙で大勝した。

 岸田政権は今後、景気動向に目配りしつつ、6月に閣議決定した新しい資本主義の実行計画に基づいた取り組みを加速させるだろう。実行計画では「人への投資と分配」「科学技術・イノベーション」「スタートアップ(新興企業)」「脱炭素・デジタル化」の4分野に重点投資することなどが示された。

 日本経済の長期停滞の背景をGDP統計などから整理すると、(1)企業の稼ぐ力の弱さ、(2)交易条件悪化による海外への所得流出、(3)社会保険料の増加による可処分所得の低迷、(4)将来不安を背景とした消費性向の低下、(5)企業部門内での資金の滞留(投資低迷)、という五つの問題を指摘できる。