2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
「喜ばれると嬉しい」は人間だけに許された感情
イチローさんや松井秀喜さんは、「メジャーリーグ」でも大活躍されましたが、この2人は間違いなく「ヒト」ではなく、格の高い「人間」です。
彼らのプレーは「喜ばれると嬉しいという本能」に基づいているように思います。
ファンの声援に応えることが自分の喜びであり、もしも、スタジアムに観客が1人もいない「無観客試合」であったり、誰からも見向きもされなかったなら、あれほどの高いパフォーマンスを維持することはできないかもしれません。
松井秀喜さんは、自身の著書『不動心』(新潮社)の中で、「僕のプレーをテレビや球場で見た人が、もし、『よし、オレも頑張ろう』と思ってくれたら、野球を職業とする者として、これほど幸せなことはありません」と語っています。
彼は野球を通じて「人を喜ばせたい」と見据えているのだと思います。
動物の中で、神様から「喜ばれると嬉しいという本能」を与えられているのは「ヒト」だけです。
「なぜだかわからないけど、喜ばれると嬉しいから続けていきたい」と思う。なぜだかわからないけどしたくなるからこそ、「本能」なのでしょう。
そして「ヒトには喜ばれると嬉しいという本能がある」ことを誰かに教えられて知った瞬間にスイッチが入るらしい。スイッチが入ったあとの存在が「人間」。
「人間」に囲まれていると、これ以上ない幸せを感じることができます。
私たちが年に数回行う「合宿」は、個人的な別荘に集まって行われますので、専門のルームキーパーがいるわけではありません。それでも、お風呂はキレイ。トイレはいつ使ってもキレイ。洗濯物はいつも片付いています。
私が参加者に「掃除をしてほしい」「洗濯物をたたんでほしい」と指示したことは、一度もありませんでした。40人もの「喜ばれると嬉しいという本能」に目覚めた人たちが集団で集まっているので、すごく「居心地のいい空間」になっているのです。
「喜ばれると嬉しい」という本能に目覚め、それを認識しながら生きていくと、やがて「よき仲間」に囲まれ、「天国度100%」の状態を味わえます。
自分の幸せを追い求めていったとしても、最後に行き着く結論は、
・自分が喜ばれると、自分が幸せな気分になる
・自分の存在が喜ばれると嬉しい
ということに尽きると思います。
ではどうして「ヒト」だけが「喜ばれると嬉しいという本能」を与えられたのでしょうか。
それは、神様が「喜ばれると嬉しいという概念(エネルギー)だけの存在」だから、神様は「神」と「動物」の間に「人間」をつくられたのだと思います。
私たち「人間」は、神様からそのエネルギーを分け与えられた「神様と動物の間に立つ、唯一の生物」であると、私は、思うのです。