夏の「土用の丑(うし)」を迎え、うなぎがおいしい季節がやってきました。ただ、「今年は値上げせざるを得ない」といった声が、うなぎを扱う関係者から聞かれています。今年のうなぎを取り巻く状況は?そして、そんな中でも美味しいうなぎを食べるポイントは?東京海洋大学で非常勤講師も務めるおさかなコーディネータのながさき一生さんが解説します。
うなぎにも「値上げ」の波
かば焼きうなぎが例年より2割も高騰
「今年はうなぎが高い」
うなぎを扱う加工業者や飲食店からは、春先からこのような声が聞かれていました。この状況を受けて、今年は土用の丑を迎える前から、かば焼きうなぎの価格をやむを得ず値上げする事業者も多くいました。
例えば、東京都豊洲市場の市場統計を見てみると、5月のうなぎの平均卸売価格は、1キロ当たり5034円。これは、過去5年間の平均4750円よりも6%ほど高い数値です。
さらに、豊洲市場の市場統計には「かば焼きうなぎ」も品目として設定されており、5月の平均卸売価格は、1キロあたり4988円。これは、過去5年間の平均4164円よりも約20%も高い数値で、今年に入ってから明らかに例年よりも高い状況が続いています。
では、このように、うなぎが高くなっている理由はどこにあるのでしょうか。