武器製造大国を目指すトルコの20年来のプロジェクトが、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領の下で実を結び始めている。トルコ製の低価格ドローン(無人機)は、ロシアの侵攻に対するウクライナの反撃でパワーバランスを変化させるのに役立っているほか、世界各地の紛争を変貌させつつある。トルコの新たな企業群は、フィリピンにはヘリコプターを、パキスタンには海軍のコルベット艦を、ケニアには装甲車を輸出している。トルコはライバル関係にあるギリシャに対抗して海軍を増強する一方、巡視船を10カ国に輸出している。エルドアン政権は、米国などの武器供給国への依存を減らす取り組みに年間600億ドル(約8兆2400億円)をつぎ込んでいる(2002年の50億ドルから大幅に増加)。民間防衛産業は2020年には110億ドル規模に成長した(2002年には10億ドルだった)。武器取引は今や、エルドアン大統領にとって外交政策の手段の一つとなっている。同氏はドローンやその他の武器の売却を通じて、他国との関係を築き、トルコの世界的な影響力を高める目標を推進している。