「ずば抜けて頭のいい人」は本をどこから読む? 1ページ目から読まない読書法
「読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。
Photo: Adobe Stock
「ずば抜けて頭のいい人」の読書法は、ここが違った!
本日は「頭のいい人がやっている読書法」というテーマでお話しします。私自身が実践し、効果を実感している方法をご紹介します。
全体から入る読み方(トップダウン読書法)と部分から積み上げる読み方(ボトムアップ読書法)をご紹介します。この2つのアプローチをうまく使いこなせると、読書の理解の質を大きく上げることができます。
トップダウン読書法は、全体から部分へ向かう読み方です。本を開く前に、目次や「はじめに」や「おわりに」、本のキャッチコピーを読んで「この本は何について書かれているのか」「著者が一番伝えたいメッセージは何か」をつかみます。そして、その全体像を頭に入れた状態で本文に入ることで、各章や各節がどのような役割を果たしているのかがわかり、理解がスムーズになります(下記画像参照)。
出典:耳を鍛えて4倍速読
例えば『ゼロ・トゥ・ワン』(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著、関 美和訳、NHK出版)という本を読むとします。
トップダウン読書法では、まず目次を見て「この本はスタートアップの生存戦略について書かれている」と把握し、はじめにで「0から1を生み出すことの重要性」という核心メッセージを理解します。すると各章が「競争よりも独占を目指せ」「金の流れを追え」といった形で中心テーマを補強していることがすぐにわかります。
一方、ボトムアップ読書法は、部分から全体へと積み上げていく読み方です。1ページ目から順番に読み進め、単語→文章→段落→章という流れで理解を深めていきます。同じ『ゼロ・トゥ・ワン』なら、最初の章で「垂直的思考と水平的思考の違い」を学び、次の章で「バブルとスタートアップの歴史」を知り……と一つ一つ積み上げていく。全体像は読み終わるまでわからないけれど、細部までしっかり理解できるのがこのアプローチです(下記画像参照)。
出典:耳を鍛えて4倍速読
どちらが優れているかというと、実はケースバイケースです。トップダウン読書法の強みは、全体の流れや意図がわかっているので迷子になりにくいこと。特に難解な内容や初めて触れる分野の本では効果的です。ボトムアップ読書法の強みは、細部の理解が丁寧になること。論理の積み上げが重要な分野では有効です。とはいえ多くのビジネス書では、著者のメッセージを早い段階で把握できるトップダウン読書法のほうが効率的です。
2つの読書法を組み合わせる!
私が実践している理想的な読み方は、「トップダウンで全体像をつかんでから、興味のある部分をミクロで掘り下げる」というアプローチです。
①目次を読み、本の構造を把握する
②「はじめに」と「おわりに」に目を通し、著者の核心メッセージを理解する
③各章の冒頭と結びを読み、章の役割を把握する
④興味のある部分や重要な部分を丁寧に読む
⑤再度全体を俯瞰し、理解を定着させる
この方法なら効率がよく、しかも深く理解することを両立できます。自分の目的や本の性質に合わせて、2つのアプローチを使い分けることが、読書の理解力を高める秘訣です。
読書の目的は単に「読了した」という達成感ではなく、内容を理解し、自分の知識として定着させることにあります。構造を理解した状態で読書をすれば、あなたの理解力と記憶力は大きく向上するでしょう。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







