「過去問で高得点をとったのに落ちる」…資格試験のNG行動ワースト1とは?
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本記事の書き手は棚田健大郎さん。1年間必死に勉強したのに宅建に落ちた経験をきっかけに、「勉強が苦手な人でも続けられる方法を作ろう」と決意。棚田さんの勉強法をまとめた『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本記事をお届けします。
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過去問で高得点をとったのに落ちる…資格試験のNG行動ワースト1
本日は「資格試験のNG行動」についてお話します。
資格試験の勉強をしていると、「ちゃんとやっているはずなのに不安になる」「点は取れているのに、このままで大丈夫なのか分からない」という状態に陥ることがあります。実はそれ自体は珍しいことではなく、むしろ真面目に勉強している人ほど陥りやすい落とし穴があります。今回は、そんな受験生が無意識のうちにやってしまいがちな「資格試験勉強のNG行動」について整理してみたいと思います。
「過去問で高得点がとれた」→それは実力ではありません
まず典型的なのが、過去の本試験問題を解いて出た点数を、そのまま実力だと信じてしまうことです。とくに、問題集で何度も過去問を回してきた人ほど注意が必要です。過去の年度の本試験問題を模試のように解くと、想像以上に高得点が出ることがあります。40点前後取れてしまい、「もう仕上がっているのでは」と感じる人も少なくありません。しかし、これは実力以上の点数が出ている可能性が高い状態です。なぜなら、その問題はすでに一度以上目にしている選択肢で構成されているからです。言い回しや雰囲気を覚えていて、理解していなくても正解を選べてしまう。これは勉強が進んでいる証拠ではなく、既視感に助けられているだけの状態です。
本番の試験では、五十問すべてが初見の問題です。過去に見たことのある選択肢は基本的に出てきません。それにもかかわらず、過去問の点数を見て安心してしまうと、「解けるつもりで解けない」という事態が起きやすくなります。過去問で高得点が出ること自体を目標にしてしまうのは、非常に危険なNG行動です。
次に多いのが、過去問を「正解したかどうか」だけで処理してしまうことです。何点取れたか、何問正解したかに一喜一憂し、正解ならOK、不正解なら答えを確認して次へ進む。このやり方では、初見の問題に対応する力はほとんど身につきません。資格試験で本当に必要なのは、答えそのものではなく、そこにたどり着くまでの思考の流れです。どこを見て、何を判断し、どの順番で考えたのか。このプロセスを意識せずに過去問を回すのは、材料だけを暗記して料理の作り方を覚えないのと同じです。
独学の受験生ほど、この状態に陥りがちです。基本知識や用語はたくさん覚えているのに、条件が少し変わっただけで問題が解けなくなる。初見の問題を前にすると、どこから手をつければいいか分からなくなってしまう。これは能力の問題ではなく、解き方の型を身につけていないだけです。過去問は、正誤を確認するための道具ではなく、考え方の型を体に染み込ませるための練習素材として使わなければ意味がありません。
市販のテキストにも要注意
そしてもう一つ、多くの受験生を不安にさせるのが、「テキストに載っていない知識が出てくる」ことに過剰に反応してしまう行動です。問題を解いていて、テキストに書いていない論点が出てくると、「こんなの載っていなかった」「どうやって補強すればいいのか分からない」と焦ってしまう。しかし、これはテキストの作りを理解していないことから来る誤解です。市販のテキストは、すべての知識を網羅するために作られているわけではありません。むしろ、何を削るかを考えて作られています。出題頻度が高く、考え方の軸になる重要な知識に絞って載せているのがテキストです。
数年に一度しか出ないような周辺論点までテキストにすべて載せてしまうと、分量が増えすぎて、受験生がどこを覚えればいいのか分からなくなります。だから、テキストに載っていない知識が出てくるのは当たり前です。それを見て不安になること自体が、勉強の方向を見誤っているサインでもあります。周辺知識は、テキストではなく問題集で補うものです。特に一問一答形式の問題集は、出題頻度の低い論点まで含めてカバーしているため、知識の上乗せには最適です。
資格試験の勉強でやってはいけないのは、「点数が出ているから大丈夫」「テキストにないから不安」と、表面的な結果や情報量だけで自分の学習を判断してしまうことです。本当に見るべきなのは、初見の問題を前にしたとき、自分の頭がどう動くかという一点です。過去問は点数を測るためのものではなく、解き方のプロセスを磨くためのもの。テキストはすべてを覚えるためのものではなく、軸を作るためのもの。その役割を取り違えないことが、資格試験勉強において最も重要なポイントです。
焦る必要はありません。むしろ、こうした不安を感じ始めた時点で、勉強は次の段階に入っています。NG行動を一つずつ外していくことで、初見の問題にも対応できる、本当の意味での実力が積み上がっていきます。
(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の一部抜粋&取材加筆したものです)







