米国の富裕層は今年上半期に借り入れを増やした。金利上昇や株価急落に伴う保有資産の減価にも動じなかった。米金融大手のモルガン・スタンレーとバンク・オブ・アメリカの富裕層向け資産運用部門は、4-6月期の融資が2桁増となった。経営陣によると、住宅ローンに加え、株式や債券などの資産を裏付けとするローンの利用が増えた。モルガン・スタンレーによると、富裕層部門の住宅ローンは前年同期比30%増の500億ドル、証券担保ローンなどは23%増の930億ドルとなった。バンク・オブ・アメリカでは、富裕層向けローンが前年同期比12%増の2220億ドルとなり、伸びが消費者部門(4%増)を上回った。これにより、米国の富裕層がリセッション(景気後退)に身構えていないことが改めて示された。米大手銀のトップらは7月、決算発表に関する電話説明会で、顧客は一定の銀行口座残高を保ちながらも、支出ペースは好調で、債務返済に遅れも見られないと述べた。