株式投資歴30年以上の専業投資家『賢明なる個人投資家への道』の著者・かぶ1000は、中学2年生のころから体育のジャージ姿で地元の証券会社に通い詰め、中高年の投資家にかわいがられ、バブル紳士にはお金儲けのイロハを教えてもらった。中3で300万円、高1で1000万円、高2で1500万円へと株式資産を増やし、会計系の専門学校卒業後、証券会社の就職の誘いを断って専業投資家の道へ。2011年に“億り人”になると、2015年に3億円、2019年に4億円を突破! アルバイト経験さえない根っからの専業投資家が、お金の増やし方を徹底指南する!
※本稿は、『賢明なる個人投資家への道』より一部を抜粋・編集したものです。

【就職したことがないのに株式投資で4.5億円】個人投資家が最低限押さえておきたい3つの指標(2)

②PER(株価収益率)【かぶ1000流の基準】

【前回】からの続き

PERは、企業の「収益(純利益)」に対して、株価が割高か割安かを示す指標です。これも銘柄(企業)名とともにキーワード検索すれば、チェックできます。

PERが高いと純利益に対して株価は割高、低いと割安と考えられます。PERは業種やセクターによって基準が異なりますが、一般的にはPER15倍以下なら割安と考えられています。

私自身は、PERの逆数(その数に掛け合わせると1になる数)を「株式益回り」として参考にしています。たとえば、「PER10倍」なら毎年10%の益回り、「PER5倍」なら毎年20%の益回りと評価するのです。

【就職したことがないのに株式投資で4.5億円】個人投資家が最低限押さえておきたい3つの指標(2)低PERトップ10
出典:Yahoo!ファイナンス(2022年7月25日現在)
https://finance.yahoo.co.jp/stocks/ranking/lowPer

「収益バリュー株投資」とは?

このようにPERが低い銘柄を見つけて投資するのを、「収益バリュー株投資」といいます。

低PER銘柄の投資で気をつけなければならない点は、一時的な利益(特別利益など)で利益がかさ上げされるためPERが低く見えてしまう場合です。こうした場合は継続した利益にならないので、いくらPERが低くても投資対象にならない場合があります。

また先ほども述べましたが、業種によってはPERが低めにしか評価されない場合もあります。PBRと同様、単純に低ければよいというわけではない点には、注意が必要です。

③FCF(フリーキャッシュフロー)【かぶ1000流の基準】

会計でいちばん見ないといけないのが、このFCF(フリーキャッシュフロー)です。

FCFは、単純にいうと企業が経済活動で得た現金収支である「営業キャッシュフロー」から、設備投資などの「投資キャッシュフロー」を除いたものです。

FCFとは「企業が自由に使えるお金」で、家計にたとえるなら、給料から税金や社会保険料を除いた残りの自由に使える手取り収入(可処分所得)のことです。

バフェットが三菱商事株を買った理由

FCFが黒字の会社は、会社の資金繰りに問題はないので潰れることはほぼありません。企業が自由に使えるお金が潤沢にあれば、企業活動以外の株主への還元も高まる可能性があります。

バフェット氏が三菱商事(8058)の株式を買った理由の1つは、三菱商事が中期経営計画で「フリーキャッシュフローを7000億円まで増やす」ことを明記したからです。

【就職したことがないのに株式投資で4.5億円】個人投資家が最低限押さえておきたい3つの指標(2)フリーキャッシュフロー トップ10
出典:Strainer(2022年7月25日現在)
https://strainer.jp/markets/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%B8%82%E5%A0%B4?sort_key=free_cashflow

「フリーキャッシュフロー」はネット検索でも十分

「キャッシュフロー計算書」は企業の本決算で開示されていますが、そこに「フリーキャッシュフロー」という項目はありません。そのため自分で計算する必要があります(三菱商事のように、中期経営計画に将来のフリーキャッシュフローの目標値が書かれている企業もあります)。

ただし、自分で計算しなくても、これも企業名とともにネット検索すればチェックできます。投資の最終判断に使う場合にはより精査すべきですが、投資先の候補を選ぶ段階でFCFをチェックしたいならネット検索でも十分でしょう。

※本稿は、『賢明なる個人投資家への道』より一部を抜粋・編集したものです。