半導体の国内自給率向上を目指す中国は、新工場の建設で世界をリードしている。現在供給不足に陥っている基本的な半導体の多くを、いずれ中国に依存する買い手が出てくるかもしれない。世界中の半導体メーカーは生産能力を増強し、供給不足を解消することに躍起となっているが、中国の拡大ペースは群を抜いている。半導体業界団体SEMIによると、中国は2024年までの4年間に31の「ファブ」と呼ばれる大型半導体製造工場を建設する予定だ。これは同期間に、2番目に多い19の半導体工場を建設する台湾や、12の工場を予定する米国を大きく上回っている。中国の工場計画の大部分で製造されるのは、より古く、より成熟した技術の半導体で、世界トップクラスの半導体企業が投資の軸足を置く最先端のプロセッサーではない。より高度な半導体に関しては、中国は米国や台湾、韓国の半導体メーカーに追いつけずにいる。欧米諸国が中国の先進的な半導体製造装置へのアクセスを制限していることも、中国が後れを取る一因になっている。