中国では高齢者や重症化リスクの高い人々の間で新型コロナワクチンの接種が進んでいないため、集団検査とロックダウン(都市封鎖)の悪循環を断ち切ることができず、世界第2位の経済大国の足かせとなっている。中国政府はここ数カ月でワクチン接種率を押し上げようと取り組んできた。だが、数千万人におよぶ60歳以上の国民は依然として未接種で、さらに多くの国民が流行中のオミクロン変異株の亜種から身を守るために必要なブースター接種(追加接種)を受けていない。中国当局は、最高指導部メンバーたちが接種したワクチンが国産であると発表し、ワクチンの深刻な副作用を巡る根拠のないうわさを否定することで、高齢者を中心に広がるワクチンへの懐疑的な見方やためらいを克服しようとしている。