コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の牛丼チェーン編だ。
吉野家・松屋・すき家がそろって増収も
業績格差が鮮明、実は「負け組」なのは?
牛丼チェーンの主要3社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯吉野家(吉野家ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
4月度:前年同月比111.6%(11.6%増)
5月度:同109.8%(9.8%増)
6月度:同106.3%(6.3%増)
◯すき家(ゼンショーホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
4月度:前年同月比108.3%(8.3%増)
5月度:同106.3%(6.3%増)
6月度:同109.2%(9.2%増)
◯松屋(松屋フーズホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
4月度:前年同月比105.6%(5.6%増)
5月度:同107.8%(7.8%増)
6月度:同110.9%(10.9%増)
22年6月において、吉野家、すき家、松屋の3社全てが前年実績を超えた。
しかし、実はこの数字だけでは見えてこない「業績格差」が3社の間で鮮明に表れている。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受ける中で、「真の勝ち組・負け組」はどの会社なのか。
各社の月次データを時系列に確認すると、表面の数字では読み取れない「事情」が見えてくる。