食料争奪戦#5Photo:Vitalii Petrushenko/gettyimages

今年3月、ファミリーマートは適切な値付けなどを行うため、精緻な価格戦略の策定を行う「価格戦略・販売計画グループ」を新設した。背景には、日本を食料危機に陥らせる「七大要因」への危機感がある。特集『食料争奪戦〜日本の食卓が危ない〜』の#5では、ファミリーマートの新組織の“任務内容”について詳述するとともに、食料危機の七大要因について解説する。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

ファミマが価格戦略を強化!
食品価格を検討する専門組織を新設

 フードビジネスを手掛ける企業による値上げが相次いでいる。“デフレの象徴”とされた牛丼3社(「すき家」のゼンショーホールディングス、吉野家ホールディングス、松屋フーズホールディングス)が、2021年秋から牛丼の並盛りを相次ぎ値上げ。今年に入ってからもキユーピーがマヨネーズを再値上げした他、カゴメがトマトケチャップの値上げに踏み切るなど、各社の「値上げ宣言」が相次いでいる。

 今年3月、ファミリーマートの細見研介社長の肝入りである組織が産声を上げた。価格戦略・販売計画グループ――。適切な値付けなどを行うため、精緻な価格戦略の策定を行う部隊だ。「価格戦略を明確に担う組織を作ったのは、ファミリーマートでは初めて」(淺田友則・ファミリーマート商品本部商品業務部部長)のことである。

 背景には、日本を“食料危機”に陥らせる「七大要因」がある。食料品を巡る値上げラッシュが物語るように、食料品価格は企業努力では吸収し切れないほど価格が高騰している。

 次ページでは、ファミリーマートの新組織の“任務内容”について詳述するとともに、食料危機の七大要因について解説する。