ユニクロPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度のアパレル編だ。

ユニクロ大幅減収の一方、洋服の青山は増収!
アパレル6月「業績格差」はなぜ起きた?

 アパレルの主要7社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ユニクロ(ファーストリテイリング)の既存店+Eコマース売上高
 4月度:前年同月比115.8%(15.8%増)
 5月度:同117.5%(17.5%増)
 6月度:同89.8%(10.2%減)

◯しまむらの既存店売上高
 4月度:前年同月比106.3%(6.3%増)
 5月度:同101.8%(1.8%増)
 6月度:同99.8%(0.2%減)

◯ワールドの国内小売事業売上高
 4月度:前年同月比127.7%(27.7%増)
 5月度:同149.8%(49.8%増)
 6月度:同112.3%(12.3%増)

◯洋服の青山(青山商事)のビジネスウェア事業既存店売上高
 4月度:前年同月比117.9%(17.9%増)
 5月度:同122.7%(22.7%増)
 6月度:同126.5%(26.5%増)

 6月の業績に注目すると、ユニクロとしまむらが前年割れとなったのに対し、ワールドと洋服の青山は増収している。アパレル業界で明暗が分かれる結果となった。

 中でも、数値が最も低いユニクロ(前年同月比で89.8%〈10.2%減〉)と、数値が最も高い洋服の青山(同126.5%〈26.5%増〉)の差は36.7ポイントもある。

 同じアパレル業界にもかかわらず、なぜこんなに大きな業績格差が生まれたのか?そして実は、この業績格差は見かけ上のものであり、実態とは「ねじれ」が生じているのだ。各社の月次業績を時系列で確認すると、その理由が見えてくる。